第414回(平成31年3月)例会報告

(文責 会友 須川 薫雄)
開催日時:平成31年3月9日(土)午後1時―5時
開催場所:早稲田大学各務技術研究所会議室
参加者:36名(会員、会友)
司会:小西 雅徳、峯田 元治

はじめに)

会員、会友が地方、名古屋、長野、仙台、山口と全国的に
参加した。
山口萩の小川 忠文氏が参加された。

小川氏紹介と挨拶
同氏は「長府藩櫟木砲術十二代目継承者」であり、萩市「幕末ミュージアム」顧問であり、個人の膨大な資料、実物の収集を展示している。
萩市博物館展示物の写真を持参された。

会場風景

発表内容)

1、古式銃の修復について  会員 安井 淳治

刀剣、古式銃の収集家である同氏の一古式銃の修復に関しての経験談であった。
刀剣と古式銃は美術品として同じジャンルにあるがその性格は異なる。多くの古式銃はそのままでは美術品としての価値は薄い。
銃身内外の錆とたたかい、木部を磨き、欠落部品を修復する研究と独自の手法、その道具類の工夫を錆だらけの火縄銃改造管打ち銃の例から披露した。

木部と機関部

下、銃身腔内を磨くために使用する真鍮製のロッドのヘッド

下、尾栓を製作する道具

安井会員の苦労話としては「火縄銃平からくりの調整」が一番難しい作業だそうだ。

2、陸軍火薬研究所における銃砲用火薬の歴史―起爆薬―
会員、元日本火薬工業会 技術顧問 栗原 洋一

当会は中原博士、防衛大学校伊達教授など火薬学専門発表が以前は多くあった。今は、栗原会員のシリーズ発表で、火薬工業の歴史を火薬用途毎に行っているもので今回は江戸後期、明治以降、日本における「起爆薬」に焦点を当てた。
「火薬類の定義」「爆薬の種類」「爆薬の定義」「起爆薬」の説明に続いて以下の概要であった。

江戸期の雷汞(らいこう)伝来の歴史
「粉砲考」など開発史、
成分と製造法、性能、村田雷管、用途を貴重な写真で説明。
「アジ化鉛」の概要
同品は水銀の供給不足からの代替品であったが、戦時中の各種兵器雷管に使用された。その歴史、製造工程、特性、性能について。
「戦後の起爆薬トリシネート」歴史、製造法、行程、用途。
「テトラセン」同上
「DDNO」同上
起爆薬の事故解説、次回予告「起爆筒」に関して。
伊達博士とのやりとりがあった。

3、高嶋流 弾丸之図」 会員 峯田 元治、会員 中江 秀雄

埼玉県川越市の鋳物師小川家に伝わる文書の解析から幕末、高嶋流砲術に使用をするために描かれた砲弾各種の図面11様から砲の概要を分析した。重量の表現には和洋両用あり、その説明もあった。
カノン、カルノンナーデ?、モルチール、ホゥィッツアー、コロンアール?など。(カノンは長距離砲、モルチールは臼砲、ホゥィッツアーは榴弾砲)

文書は文久三年高嶋流助教木村何某が書いたもので、
小川家に砲弾発注の仕様書(?)であったか。
詳しくは「銃砲史研究」の文を待ちたい。

(文久三年(1864)は西欧では砲は滑腔からライフルに、前装から
後装に変化しつつあった頃で、この時期に果たしてこの文書、発注
仕様書に描かれた寸法、使用の球形砲弾をまだ日本では多量に生産していたかは疑問である。また砲の種類、前装の装填法、信管、着火
性能、威力など総合的な研究概要が課題ではないか?)

懇親会)17名参加、かわうちにて

ニューヨーク市出身、大宮在住のディビット氏が例会から懇親会まで参加された。「刺激を受けた」そうだ。
(以上)

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