第408回日本銃砲史学会9月例会

開催日:平成29年9月9日(土曜日)
場所:早稲田大学各務記念材料技術研究所
時間:午後1-5時
参加者:延べ約50名

 

題目と内容:

1)阿波筒に見る目当ての形状と機能について

発表者 小西 雅徳(当会常任理事)



当日は1挺の完全な銃と2本の銃身を持参し、阿波筒独特の目当てとその付属品の

説明を行った。

阿波筒の定義は難しい。1、阿波住銘の銃工の作品、2、当地独特の形状の銃、銃身は135㎝位と長いが、口径は10㎜以下の小さい。特徴的な八角の柑子、人工的な虎布目塗装、銃身が深く入、重い木部、大体が平からくり。

沢田 平氏著「古銃」に見開き2ページに詳しく書かれている。



目当てには先目当ての付属品、立てると傘のよう照星に被さる。元目当てには、一般的に長距離を狙撃する照尺のような梯子が付属しているが立てても狙う機能はない。

両方とも、銃身の目当てに固定されてない。従ってどの程度の割合で装備されていたかは不明だ。錆でどうにか目当て、銃身についているのが現状だからだ。



沢田氏は使用法不明としている。(これで一般的には結論だが)

 

小西氏発表では徳島藩、蜂須賀家、その他古文書の研究を分析し、古文書には使用法はないと。この形状の「阿波筒」はどのくらいの数量、製造されたか、を説明した。

ただし、徳島藩の船舶、城が海に出ており、長距離射撃の背景、射撃自体には触れなかったが、次回は射撃を実施してその結果から目当ての機能を詳しく発表するとの表明があった。

 

なお、この形状の阿波筒には堺銘のもの、阿波銘だが備前筒形状のものなど多様化している。当時の瀬戸内海交流の状況も必要な要素であろう。

 

2)「近代工業化のルーツ滝野川反射炉展について」

発表者:石倉 孝裕(北区飛鳥山博物館学芸員)



「日本・ベルギー有好150周年」イベントの概要であった。ベルギーは18世紀末欧州における産業革命の嚆矢であり、続いてオランダ、フランス、英国、ドイツなど周辺国にその工業、経済活動は伝搬したとされている。(米国、ロシア、そして日本と続く)

産業技術関連の発表で、参加者には立派な図録が進呈された。


 

3)大森洋一氏(NHKドラマ番組部時代考証担当)




苦しい内容であった。

「大河ドラマは史実ではなく、ドラマである。」したがってドラマの筋や演技が主なる目的でその時代、こうあったという事実は二の次であるというのが方針だ。だからドラマとしてとってほしい、細かい真贋には目をつむってくれが、同氏の本音であっと聞こえた。

視聴料を払う視聴者にとってはいささか納得いかぬ部分もあったが、原作「司馬遼太郎氏」のもののようにはじめから、事実でない部分もあり、構成は困難である。昔は名和弓雄先生のように万事の時代考証ができた人がいたが今は無理だ。

同氏は日本の史実もさることながら欧州のことに詳しく、その関係の話は興味深いものが多かった。

大河ドラマ、これは日本のエンタメ界の頭痛のタネになろう。ハリウッド映画が描くローマ帝国とかフランス革命みたいなものになり、教育レベルの低い国民は事実と創造の区別がつかなくなるからだ。コミックかドラマかというレベルになったら終わりだ。

「If they move, kill them. 」サム・ペキンパー「Wild Bunch」のセリフを知っている人には初めてお会いした。

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以上

〈文責 理事須川 薫雄〉

例会後、懇親会が行われた。

 

 

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