平成28年度第402回3月例会の内容報告

例会は月の第二週土曜日に行っていたが、さまざまな事情から今回は第一週3月5日(土)、早稲田大学各務記念材料研究所にて開催した。司会、進行は事務局長 峯田 元治、参加人員は述べ44名であった。

宇田川理事長挨拶 「今回は幕末の事象を中心に新しいテーマの興味深い研究と聞いているので楽しみにしている。」と。

1、「坂本龍馬と黒船来航」-浜川砲台と象山塾

小美濃 清明氏

以下の資料が用意された。
① 山之内家資料 山之内家の厳しい情報統制に関しての規制
②ペリー艦隊日本遠征期(嘉永6年)
③大日本古文書・幕末外国関係文書  艦隊の江戸湾における軌跡
④坂本龍馬の江戸 佐久間象山塾の同門者たち
⑤鮫洲抱屋敷・浜川砲台 装備品としての6門の大砲と人員
などに関しての説明が行われた。

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小美濃 清明氏

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聴衆

2、 浜川砲台(品川区歴史遺産)復元 30ポンド六貫砲複製品

発表者 峯田 元治

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東京都品川区京急線立会川は米国艦隊対応にそこに屋敷「土佐藩鮫洲抱屋敷」のあった「土佐藩」の任務であった。それで駅の改札を出ると「坂本 竜馬」の像が立っており、説明がある。峯田氏はそこに、もしかしたら、竜馬も関係していたかもしれないという由来より、品川竜馬会の依頼で六貫目ホウイッスル砲の複製品を制作し、昨年10月に同砲は竜馬会から品川区に寄贈された。
その製作過程において「砲耳、砲房」の形状の疑問を解明することができた。
また、近世の砲の口径、弾丸重量の各国、各種の基準について説明した。

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その内容の発表が主だった。
① 蘭式大砲の種別 略
② ホウイッスル砲とは (短距離平射するものとしている)
③ 六貫目ホウイッスル砲への疑義 (口径と弾丸重量)
④ 天保六年(1835)輸入のホウイッスル砲と絵画 (旧型であろう)
⑤ 砲耳の位置と砲房の有無

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(文書に関する質問者)

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砲耳の図

砲耳は砲身に突き出た凸であり、その台座があるかないか、どのような
形状かの説明がされた。

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峯田 元治氏

  (質問としては、「ホウイッスル」砲の定義はカノン砲に対し、口径が大きく砲弾の炸薬が多く、平射より曲射される地対艦砲・榴弾砲ではないか?現在のFH155mmのようにカノン砲なみの射程をもち榴弾砲の威力をもつものがあるが、旅順港要塞攻撃に使われた23㎝砲がひとつの例ではないかと、会員の大砲研究家からあった。)

3、“軍都相模原”旧家由来の幕末2挺の拳銃
元 相模原市立博物館 学芸班 指導主事
現 相模原市立 由野台 中学校 教頭
上原 徹也
(上原氏は博物館勤務のころ、現地で発見された古銃のことで当会に相談に来られ、そのまま入会し、さらなる研究を続けられている方である。)
上原氏の後任の方々も例会に参加された。

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上原氏

① 相模原市立博物館について
平成7年に創立された地方都市の大規模な総合博物館である。
② 銃砲との出会い
相模原は帝国陸海軍とゆかりが深くさらに江戸と甲州を結ぶ重要地域として
旧家が多く、軍用、古銃関連の研究材料の発見が多い。
③ 相模原は《軍都》であった。
以前は陸軍士官学校、造兵廠、その他の帝国陸海軍関係の施設があったが、現在も米海軍海上自衛隊厚木飛行場、補給施設などがそのままに使われている。
首都防衛の要のひとつである。
④ 古式拳銃寄贈経過
旧中村住宅の蔵より、以前峯田氏調査。

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博物館図録より

これらの中から、下の2挺、幕末単発前装管打ち銃と英国製前装管打ち水平2連拳銃に関して議論した。
⑤ “旧中村住宅”遺物の数々
⑥ 古式拳銃の詳細

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4、「銃砲史研究」第880号磯村照明著「銃器・弾薬類の発達」正誤
今村 逸夫

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今村氏

33ページにわたる原稿のなか250の誤字、誤りがあった。これが権威ある
「銃砲史研究」の原稿の執筆、素読、校正などの実態であるべき姿なのか?
同氏は当会入会2年、他人が書いた研究を個人的感情、利害、確執で批判したものではまったくないと言う立場から、もっと良い研究を目指す、新事実を発見するは緊要でないか。それらにインターネットを活用することをいくつかの項目で具体的に説明した。特に特許の原典を使う。これは外国の研究家が良くやる手だ。今村氏の発表は肯定的に研究の効率化、正確性を図る試みとして評価できよう。
(管理人の経験によればITをさまざまに活用するのは金も時間もかからないが
やはり、間違いがある。)

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(この項以上、管理人記)
例会のあと、「かわうち」において30名近い会員、会友が参加して懇親会が行われた。

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