第400回 平成27年9月例会

日時:9月12日(土曜日)午後1時-5時
場所:早稲田大学各務記念材料研究所
参加者:39名

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発表内容:
1、 火縄銃の威力実験に参加して(NHKTV番組取材への対応)青木 孝氏

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NHK歴史番組『風雲大歴史実験―戦国鉄砲隊VS騎馬軍団』を番組製作会社
(株)アマゾンラルナ社より、「日本前装銃射撃連盟」が製作協力依頼を受け、夏にBSプレミアムで放映された。3月上旬、栃木ニッコー総合射撃場にて様々な距離、標的を使用し青木氏を含め3名の会員が射撃に協力した報告であった。
90分間の長い番組であり、3日間の射場貸切り、準備、撮影は9時間に及んだが実際の放映に於いても、騎馬の速度との比較で意義ある内容であった。

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内容は、早合を使用しての発砲に至る時間の検証
射距離における命中率
具足の貫通(当世鎧)
ヒノキ板、竹の束、鉄板
発表は実際の番組の一部、NGとなった様々な画像を流しながらのもので、
火縄銃性能の多くのデータが得られた。

*宇田川理事長のコメント
歴史番組とは言え、漫画、コメディアン、女優、ゴーカート、エアソフトガン
など、内容的にも編集的にも問題あるので、銃砲史学会また射撃団体はマスコミの要望にまどわされない注意が必要であろう。

*「警察署許可を得て撮影」のクレジットが各シーンに入れられていたが、「法的には警察署には権限はなく、実際は「公安委員会の許可」されるとの意見もあった。

*NHK放送倫理委員会では黒シャツ、パンツの射手に関しては恐らく何らかの
配慮があったと思われる。出が少ない。火縄銃をレストして射撃することは普通ないなどの参考意見も後にあった。この射手は呼吸が合わずぶれていた。
青木さんが一番上手であった。

2、 岩鼻・宇治火薬製造所の遺構について 東京大学文学部教授 鈴木 淳

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文化庁プロジェクトとして平成15-27年、先生が各地の大戦遺跡の調査を行った内容の一部であった。
① 岩鼻火薬製造所の遺構
明治の産業革命遺構の一部だが、水力動力6基を使用して黒色火薬を製造するとことから創立された。全体は広大な敷地であるが、現在は三分割されており、火薬製造の日本火薬社、群馬の森、日本原子力研究所になっている。
遺構が良く残されているのは、南側の日本火薬の部分で、特に水力動力の設備
(巨大なプール)はそのままである。真ん中が鳥類保護区域で安全管理のため
土塁や柵があちこちにある。昭和になっての火薬庫は残っているものがある。
性能試験用の射場跡は群馬の森内にある。
② 宇治火薬製造所の遺構
明治37年に建設された本工場跡は、陸上自衛隊宇治駐屯地・関西補給所、
宇治市、京都大学が使用している。
興味深いのは火薬製造所には性能試験用射場が併設され、小銃射場などより
短い100m程度の大きさである。

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火薬燃焼性能は弾丸の初速に大きな影響を与えるので、19世紀よりケーブルを使用した2点計測の測定機が存在したのではないか、と言う内容は興味深い。
しかしその機械の詳細と機構は明らかでなかった

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陸上自衛隊駐屯地内部の建物は管理されており、残っているものが多い。

*陸自の弾薬は多くはここに保管され、今回のような法規制改正がなされないと兵站の問題があるとの参考意見があった。

*文化庁は戦時遺構調査を全国的に実施したようだが、それをまとめない、
発表しない、沖縄など政治的な理由であろうが、税金の無駄使い、良く会計検査に引っかからないものだという意見があった。

3、 中小板鉄山の研究調査の現状報告―中小板鉄山での製鉄復元にむけてー
中小鉄山研究会・産業考古学会 原田 喬氏

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中小板鉄山の初期および近代の製鉄時代のご講話は先回の通りである。
今回はその一部製鉄作業の規模と機構のご説明。
並びに新島 襄との関係、近代日本の創設にこの遺構でたたら製鉄実験を
行いたいという内容であった。

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4、 当世具足について・・・日本甲冑史から見た特徴
日本甲冑武具研究保存会理事 棟方 貞夫氏

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鉄砲の出現が大きな影響を与えた日本の甲冑、
①その歴史
②大鎧、胴丸、腹巻きの特徴
③当世具足について
④各時代の負傷原因
鉄砲が導入され40%以上が鉄砲による死傷となる。
など、銃砲史学と甲冑史学の融合が内容であった。
輸入材料もしくは胴などが多く使われたと言うのも興味深い点であった。

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*宇田川理事長のコメント
甲冑鎧と身分との関係を明らかにすべきだ。

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*だが、45分間という短時間で日本の甲冑、兜、鎧を語るのは無理だ。

今回の例会は銃砲関係ではなく周辺知識の題目がすべてであった。

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長野県より参加された会員

*東京にいるはずのエム岡はどこにいるんだ。

以上(管理人記)

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