平成26年9月度例会・見学会報告

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開催日時:平成26年9月20日(土)午前11時より
開催場所:講演会:小田原市郷土文化館会議室(二の丸)
見学会 小田原城、石垣山一夜城、山中城
参加者:講演会23名、見学会15名
幹事:松岡、高橋

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I,講演内容:
1、『小田原城の調査と整備』講師 小田原城天守閣館長 諏訪間 順博士

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諏訪間博士
小田原城を考古学的に500箇所の発掘を元に戦国期、江戸期の発展段階を
研究した詳細な内容であった。小田原は東海道、甲州への道の交わる海岸の
要所であり、軍事的、商業的にも発展してきた。発掘は箱根口(板橋、早川)
に及び富士噴火の結果算出した岩、花崗岩が各所に使われていた。

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天守閣から富士山方向
時代的には戦国期の堀や山に掛る縄張、江戸期の居館、石垣など1980年頃より
行われ、史跡本丸、二の丸整備基本構想の骨子は以下の通りである。
基本概念 永久に保存管理し、後世に伝える、活用を図り、市民生活に役立てる、観光価値の拡大
基本方針 不適当施設の移転、遺構の調査、史跡環境整備

戦国期の北条氏は関東地方をほぼ全域を領地として盛大な力を維持していた。
豊臣、徳川連合軍に敗れはしたが、当時の城の規模は想像外の大きさがあった。
しかしその史跡としての価値を認識し研究する活動は、最近になり活発化している。諏訪間氏、小田原市の今後の発掘調査が期待される。
(管理人記)

2、『軍用と猟用が混在する玉の世界』-鉄炮戦(いくさ)理解のためにー
宇田川 勝久博士

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宇田川博士
鉄炮は戦国期に機能、使用法ともに大発展し強力な兵器として活躍した。
江戸期には武芸として、標的射撃が一般的となり、これには丸玉一発が使用された。しかし、戦国期に鉄炮だけが発達したのであろうか?

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玉もその使用法にも様々な工夫があり発達しなければ、鉄炮兵器の発展の理屈に合わない。この点があまり知られてないのは、古文書, 秘伝書、文献への調査が紐解かれてなかったからだろう。

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今回の調査はここに焦点を当て、戦国期使用された様々な鉄炮玉を研究し、武芸としての炮術の基本が出来ていたことを証明するものである。
最初に「二つ玉」の存在から入り、現存する数十種の玉の研究、天文13年元存最古の文書「玉こしらへの事」の解釈からさらに多くの種類の玉の存在を明らかにした。同じような目的で工夫された玉でも流派により異なっていた。

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玉の研究は炮術武芸の発達の証人であり、天文期から慶長期の主流な流派の秘伝書が残っている。江戸期になると動的射撃から標的射撃を競う射撃になり、
武士とはい自由に狩猟などで鉄炮を使用できない社会制度になり、狩猟用の玉は伝承の世界に沈着し、還りみられなくなった。
ここに紹介した多種の玉は鉄炮武芸の内実を示す証人であろう。
(管理人記)

II,見学会
1.小田原城 午前9-11時、13時以降自由見学
天守閣には数多くの展示品がある。

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珍しいフランス製輪胴ライフル銃 上から2つ目

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S&W.32口径拳銃

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鉄砲鑑札 天保十七年

小田原城天守閣は武具、武器展示の宝庫であり、鎧、刀、弓、槍、などが充実している。

1.石垣山一夜城

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天正十七年(1589年)豊臣、徳川方が小田原城を臨める湯本から早川に降る途中の笠懸山上に88日間で完成したという岩城。ここに使われた岩石は早川に石切り場がありそこで加工されたと言われている。石垣は良く残っていたが、関東大震災で多くが崩落した。

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井戸曲跡(一種のプールであったのではないか?)直径25mくらいある
不気味な穴だ。

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本丸石垣跡

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各種イベントなども行われているようだ。

当然、ここから小田原城までは当時の銃砲の射程内にはない。あくまでも戦闘の全体を観るのと、威圧が目的だ。

2.山中城
山中城は三島から箱根山に上がる現在の国道一号線をまたぐ形で存在していた。
険しい尾根を利用し、障子堀(堀の底に畝がある)が一直線に延び、寄せ手が堀に掛ると、城側は上から鉄砲、弓、石などで攻撃するという戦闘方式であった。鉄砲の数量が少ないので、近距離で戦闘すると言う形になったのだろう。
4000名が守り、22万が攻め、半日で落城した。

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尾根を進軍する我が会員諸氏

障子堀

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さらに行軍する我が会員諸氏

まとめ:
今回の特別講演では、宇田川氏が新しい研究、鉄炮の玉を題目として、戦国期に鉄炮と同じく、玉も進化した証明を行った。
また小田原三城巡りも新しい試みであったが、少し盛り沢山になってしまったが、興味ある内容を達成できた。幹事、松岡、高橋両氏の努力に感謝する。

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(管理人記)

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