会員の執筆した書籍の紹介

○中江 秀雄著『濡れ』その基礎とものづくりへの応用
産業図書刊 2011年

個体表面を液体が気体を押しのけて広がる現象を言い、濡れ性はその拡がりやすさを示す指標である。この本は液体と個体間での物質移動や界面反応を考え、それらを商品や産業に広く使って行く理論を網羅した学術書である。別な言葉では蓮葉上の水玉という自然現象から、金属にこの現象と同じことが起こり、それをものづくりにつなげる考え方と言える。



内容は「表面・界面エネルギーとは」「濡れは何で決まるか」「自然現象と濡れ」「濡れの諸形態と濡れの仕事」「濡れに影響する要因」「物質移動・化学反応を伴う濡れ」「椄合・接着と鋳造」「金属基複合材料と金属間化合物の製造」「凝固組織と界面エネルギー」などである。

○霜 禮次郎著『海陽丸館長澤太郎左衛門の生涯』
新人物往来社刊 2012年



霜氏は当会創立以来の会員であり現在は顧問である。スポーツ医学の権威で、自らも射手として数多くの競技に参加した。今回のテーマは著者が、当会で「銃砲史研究」に発表していた内容で、幕末、幕府側が日本軍事近代化のために下級階級から優れた若者たちに専門領域を研究させた、その一人、澤の生きざまと努力を研究した内容である。澤の日記から、彼がオランダに留学し、砲と火薬製造を学び幕府に仕えた様子が散見される。そして戊辰戦争では函館まで海陽丸を指揮して戦い、明治以降、一旦は賊軍と名指された他の人々ともに再び明治政府に仕え、技術官僚として後輩の教育にあたった。陸の大鳥 圭介、海の澤と言われている。

○高橋 信武編著『西南戦争の記録 第5巻』
西南戦争を記録する会

電話080-5241-920 価格\3000-と送料 平成24年刊

今回が最終号である。A-4,280ページ。堂々たる体裁で、今後、西南戦争を研究するには無くてはならぬ資料である。著者等が戦跡を実地走破し、古戦場の詳細とその迫力をあますところなく網羅した力作で、日本近代最後の内戦を実感し認識できよう。
写真は第4巻のものであるが第1-4巻にも若干の残部があり、全巻を揃えることにより今後の西南戦争の研究は現実味を帯びるであろう。第1-4巻は各\2500と送料。問い合わせ願いたい。